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塩沢つむぎ記念館へ

二年ほど前に偶然クルマで通りかかって、素敵な街並み!と思ったのが「塩沢」でした。その時は時間に余裕がなく、通り過ぎてしまったのですが、いつか訪れたいと思っていました。

この一年、コロナ禍で旅行は控えていました。Go to キャンペーンも一切利用せずに。でも、そろそろ気分転換もしたいし...マスクの着用・手指消毒、少人数で...などの対策を心得て、少し足を伸ばしてみようかなと。友だちと二人で。

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塩沢といえば、大島紬・結城紬と並んで三大紬と呼ばれる「塩沢紬」の産地。ということで、「塩沢つむぎ記念館」へ。→ 館内は私たちだけの貸切状態で、スタッフがとても丁寧に説明してくださり、すご〜く勉強になりました!

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実際に、高機(たかはた)で ちょっとだけ機織り体験もしてきました。楽しかった〜!...ですが、根気がなく。ほんの数センチ(^^;;

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解説して頂いた内容を、メモで残しておきます。

■本塩沢:たて糸が生糸、よこ糸は生糸で撚りの強い「地緯糸(じぬきいと)」

生糸を使うのは大島紬と一緒ですね。だから、紬といっても紬糸特有の節(ふし)はなく、塩沢お召しとも呼ばれるそうです。織りあがった後に「湯もみ」することで地緯糸がシボ状になって、あの特有のシャリ感に仕上がるんだそうです。

織り柄は十字絣も亀甲絣もあるそうで、その細かさは「処(とこ)」で表すそうです。

大島紬だと●マルキ、結城紬だと●亀甲で表すのと同じように。展示品は200処でした。

 

■塩沢紬:たて糸が生糸&玉糸、よこ糸は真綿紬糸。

こちらは紬糸を使うので節(ふし)もあり、少しほっこり系。

「真綿(まわた)」は繭(まゆ)を煮てほぐして、乾かして、綿状にしたもの。それを紡いで糸にします。原料は繭なので、絹ですよ〜。

 

■夏塩沢:たて糸もよこ糸も、生糸と玉糸の撚りの強い「駒糸」

経緯共に強撚糸を使うので、シャリっと薄手に上がるそうです。玉糸も使うので節がアクセントになるそうです。

 

そして、なんと!あの高級品「越後上布」をはじめとする麻織物の解説・実演もありました。

麻の原料は、亜麻(アマ)・苧麻(ちょま)・黄麻(おうま)などがありますが、越後上布の原料は苧麻。使うのは、苧麻の茎の内側の内皮。これを乾かした後、湿らせながら爪で細く裂いてつなぎ合わせながら糸にしていくのだそうです。なんと手間のかかる!

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この糸は繊細で切れやすいので居座機(いざりばた)でしか織ることができないそうです。

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そして織りあがった反物を雪の上で晒す。雪晒しには、漂白効果があり、染めた色も鮮明にしてくれて、麻糸もふっくらさせてくれるんだそうです。こんなに手のかかる工程を経るので高額になるんですね〜。

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比較的手頃な小千谷縮は、越後上布の改良版だそうで...。

よこ糸に強撚糸を使って、織り上がりに湯もみをして、特有のシボを出すんだそうです。

ちなみに、私の小千谷縮 体験は。。。

仕立て上がった最初の年は、少しごわっとパリッとしすぎているように感じていましたが、洗濯を繰り返すと次第に柔らかく馴染んできて、年を追うごとに着心地が良くなったと思います。

麻はアイロン不要なので、どんどん洗濯することをお勧めします。